特別企画 一人ひとりのひのきしん 私のできるひのきしん①

国道3号線のゴミ拾い続けて10年 門司支部・有馬修一さん

 九州を南北に貫く大動脈・国道3号線の起点となる北九州市門司区。関門海峡を望む風師山の斜面の一角に福筑分教会がある。会長の有馬修一さん(69歳)は週2回、国道沿いのゴミ拾いひのきしんを10年以上続けている。
 「大教会創立120周年の節目を3年後に控えて、何か親神様・教祖に喜んでいただけることをと考えたのがきっかけです」。地道に長く続けられることを探していた時、ふと目についたのが、中身が半分ほど入った自宅の可燃ゴミ用の収集袋だった。「そうだ。ゴミ拾いをして、この袋をいっぱいにしよう!」
 週2回のゴミ収集日の朝、有馬さんは収集袋と火バサミを手に出発。拾ったゴミを手際よく袋に入れつつ、急な坂を下りていく。国道沿いに出ると、そばにある収集所にいったん袋を置き、ポケットから別のビニール袋を取り出した。「ここからが本番です」。まずは南側にあるバス停まで200メートル、横断歩道を渡って折り返すと、今度は北側のバス停まで300メートル。再び国道を横断して戻り、いっぱいになった袋を収集所に置いたゴミ袋に詰めて終了。30分ほどかけて約2500歩を歩いた計算だ。首にかけたタオルで汗を拭いながら「夏より真冬の寒さのほうが身にこたえますよ」と笑う。
 地元町内会の副会長も務める有馬さんは、ひのきしんの間も、顔見知りの近隣住民と明るく挨拶や会話を交わす。教会の隣にある公園の草刈りも、近所の人々と協力して毎月しているという。
 コロナウイルス流行の影響で、春先から奈良県にある大教会と本部の祭典参拝を自粛しているという。そんな中でも「何かさせてもらいたい」との思いから、毎月26日に教会でおつとめを勤めた後、信者さんたちに声をかけて付近の道路や空き地の清掃も始めた。
 9年前には肺化膿症を患ったものの、すっきりとご守護を頂き、以後は壮健に過ごす有馬さん。「足腰が動くうちは、いつまでもひのきしんを続けたい」と話している。